重症度別呼吸リハビリ(PS4~5用)
全体に言えることですが、頑張ってやるのは禁物です。無理せずに楽にできる種目を行ってください。0番から2番は楽な体勢を取るだけで自然に呼吸を深くするということを目的としています。5分から10分程度、それ以上でも構いません。1時間に1回くらいと頻繁におこなうのもおすすめです。おこなっていると副交感神経優位になるので眠くなります。そのまま寝てしまうということを回復のために1日に何回もくりかえすのも良いです。副交感神経優位の時間を増やしていくのも回復に大切です。労作後の疲労(PEM)を予防したい場合、生活動作の後に0番から2番を中心におこない積極的な休息をとると良いでしょう。

0番 0:00~
あおむけになります。なるべく股関節と膝が90度ずつくらいになるように台か椅子の上に足を乗せます。足を上げるのがつらければもっと低い角度、あるいは膝たてでも構いません。横隔膜が動きやすくなり自然にお腹に空気が入りやすくなります。ことさらに呼吸を深くすることなく、ただこのままの姿勢でいます。それだけで呼吸が深くなるので副交感神経優位になります。あおむけがつらければ片側の肩甲骨の下にクッションなどを入れたりして調整します。呼吸は原則鼻から鼻でおこないます。

脇を開いていき肩が直角くらいの姿勢でキープすると胸の横に空気が入りやすくなります。またバンザイの姿勢にすると胸の上の方に空気が入るのでそのままの姿勢でキープしたりします。無理せずきつくない方だけやってください。腕が床から浮くと疲れるので肘か腕の下にクッションを入れることをおすすめします。

手を下ろした状態で首のストレッチを軽くするのもおすすめです。
(胸鎖乳突筋、斜角筋のストレッチ 呼吸を補助するときに使う筋肉)

足を上げるのがつらい場合は、膝を立ててから横に倒す姿勢で、わき腹が伸びるような感じにすると無理なくできてよいです。足が宙に浮くと疲れるので倒した側の膝をクッションで支えるのがおすすめ。こちらでやる場合は、3~5分ずつで左右を行います。

1番 4:49~
横向きになりクッションを抱えます。少し丸まってクッションを抱えて背中の下の方(肺の下部)に空気を入れます。まずはそのままで背中への空気の出入りを感じてください。そのまま5~6分おこないます。気持ちよければもっと長くおこなってもよいです。背中を丸めるときつい場合は少しゆるめたり足を伸ばしてもOK。余裕があれば意識的に背中の下の方に空気を深く入れるように吸います。吐く時は自然に。鼻から鼻で呼吸します。

2番 7:02~
1番から続けて上側の足を前方の床につきます。半うつ伏せの姿勢です。よこ腹や骨盤まわりに空気が入るのを感じます。呼吸は自然のままに空気の出入りを感じます。このまま2分から3分。次によこ腹や骨盤に空気が入るように息を吸っていきます。これも2分くらいおこないます。余裕があれば上側の腕を頭の上などに置き、脇と肋骨を開きます。その姿勢で肋骨のあたりに空気が入るのを感じたり、そこに空気を入れるように深めに吸っていきます。この動作はできる方だけ無理のない範囲でおこないます。


4番PS2-3用 9:00~
0番の姿勢、もしくは膝たてでもよい。腕のつらさをさけるため腕の下に枕かクッションを置きます。左右の手をそれぞれ胸とお腹の上に置きます。きつければ手を下ろしても構いません。ABCと3つのフェーズに分かれています。
A 胸においた手の感覚を感じます。手の動きを通じて胸への空気の出入りを感じます。感じられなくても構いません。その場合は手の感覚を感じます。1~2分程度。次に胸に置いた手が上に持ち上がるように胸に空気を入れて吸います。これも同じ時間おこないます。吐くときは自然に。鼻で呼吸します。首や肩に力が入らない程度でおこないます。
B 次にお腹においた手に意識をうつします。手の動きを通じてお腹への空気の出入りを感じます。感じられなくても構いません。その場合は手の感覚を感じます。1~2分程度。次にお腹に置いた手が上に持ち上がるようにお腹に空気を入れて吸います。これも同じ時間おこないます。吐くときは自然に。鼻で呼吸します。首や肩に力が入らない程度でおこないます。次に吸うときは今と同じように吸って吐くときに口を軽くすぼめて細く長く吐いていきます。力まないように1~2分程度おこないます。
C 次に胸とお腹においた両方の手に意識をうつします。手の動きを通じて胸とお腹への空気の出入りを感じます。感じられなくても構いません。その場合は手の感覚を感じます。1~2分程度。次に胸とお腹が一緒に膨らむように空気を入れて吸います。吐くときは自然に。鼻で呼吸します。これも同じ時間おこないます。首や肩に力が入らない程度でおこないます。次に同じように胸とお腹が膨らむように息を吸って、吐くときに口を軽くすぼめて細く長く吐いていきます。力まないように1~2分程度おこないます。

5番 14:37~
0番の態勢でもよい。
手のひらを横腹の骨がないところに当てる。
手の向きは親指上でも下でもやりやすい方で構いません。
まずは軽く息を吸うときに指が押されるのを感じるます。
1分半くらいおこないます。
次に、横腹に空気が入るように(横腹にあてた指が押されるように)意識して吸います。吐くときは普通に吐きます。2~3分おこないます。


6番 17:02~
腕を組みそれぞれの腕をつかみます。このようにすることで負荷を減らします。組んだ腕を呼吸とともに頭の方へ持っていきます。写真のように額の上に腕を置くと楽です。基本的には息を吸いながら頭の方向へ移動させます。数回呼吸を整え、息を吐きながら元の位置に下ろしていきます。余裕があれば一呼吸でおこなっても構いません。疲れないように加減をみながらおこなってください。回数は5回から8回程度が目安ですが後に疲れが残らないよう自分で調整してください。きつい方は片手ずつおこなっても構いません。



9番 19:29~
横向きの態勢でおこないます。息を吐きながら動作をおこないます。腕を前に出す、肩甲骨を寄せながら後ろに腕を持っていくという前後の動作の組み合わせを呼吸にあわせておこないます。息を吸って、吐く息とともに脱力して腕を前方へと伸ばしていきます。呼吸を整えてから、今度は吐く息とともに肩甲骨を寄せ後ろに引きます。5~10回が目安としてください。ゆっくりと自分のペースで無理のない回数をおこないます。


10番 22:12~
横向きで上側の腕が前方へのびている状態がスタートポジション。
息を吐きながら腕を頭上の方に大きく回していきます。
きつければ途中で止めて呼吸して休みます。呼吸を整えまたゆっくりと回していきます。腕が宙に浮いているときついので床をする感じでおこないます。
なるべく遠くの床をすっていくイメージでおこないます。
原則腕は伸ばしたままおこないますがきつければ肘を曲げても構いません。肩甲骨を動かすのが目的です。脱力しながら楽な感じで動かします。五十肩などで肩に痛みがある方は無理して腕を上げず、肩甲骨だけの動きで構いません。


11番 25:07~
椅子などに腰かけた状態で、背中を丸めたり背筋をのばしたりという動作を呼吸に合わせて行います。脊柱の動きと骨盤を立てる動きを呼吸に合わせて行います。ももの上に手を置いて息を吐きながら手を前に持っていき、脱力しながら背中を丸めていきます。吸いながら骨盤を立て背筋を伸ばしていきます。手が当たってる当たりを意識して脊柱をまっすぐ。5~10回を目安に行ってください。

12番 27:38~
胸郭の動きを良くするため、胸椎の側屈を呼吸とともに行います。
息を吐きながら脱力しながら重力で体を横に倒していきます。
その状態で呼吸を続けて写真で手があたってる肋骨や胸の横への空気の出入りを感じます。反対側も行います。きつい方はクッションなどを利用して支えを作ってください。5~10回が目安です。自分のペースで無理のない回数で行います。