この論文は、平均症状期間252日間のPost-COVID-19症候群(PCS)患者における自律神経調節障害を、24時間ホルター心電図を用いた心拍変動(HRV)解析によって評価した研究です。年齢と性別を調整後、PCS患者のHRVは健康な対照群と比較して有意に変化しており、特に交感神経活動の亢進と副交感神経活動の低下が示唆されました。その変化のパターンは冠動脈疾患(CAD)患者と類似していましたが、24時間を通しての交感神経活動はPCS患者の方が高かったです。さらに、急性期感染症の重症度や身体能力の低下とHRV変化の関連性も分析されており、急性期の重症度が高いほど、HRVの変化が顕著になることが示されました。この研究は、長期PCS患者における持続的な自律神経系の不均衡を示唆しており、HRVがPCSの予後予測や治療効果のバイオマーカーとなる可能性を示唆しています。
Autonomic dysregulation in long-term patients suffering from Post-COVID-19 Syndrome assessed by heart rate variability - Scientific Reports
Post-COVID-19 Syndrome (PCS) is a condition with multiple symptoms partly related to dysregulation of the autonomic nerv...